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学校が再開しました

今月になってから初めて、子ども達のいない平日を迎えました。「賑やか」を遥かに通り越して「メチャクチャうるさい」くらいでしたが、ここまで静かだと逆に落ち着きません。勝手なものです。

 

冒険研究所で過ごしたこの約1ヶ月間は、子ども達にとってどのようなものだったのでしょうか?家族、親戚でもない、学校や習い事のいわゆる「先生」でもない、平日の昼間から私服でフラフラし、本気で食べ物を取り合う、ファミコンを奪い合う大人達との生活は、不思議でありながらも良い経験になったのではないかと、そう思ってくれたらいいなと願っています。

 

 

2月27日、突然の「全国小中高等学校等一斉休業の要請」に伴い始まった今回の休校。行政、学校、家庭、あらゆるところで混乱と不安が生まれました。

 

“我々ができることは何か”

冒険研究所を「行き場に困った子ども達が過ごせる場所」として提供することを決めました。28日の午前中には早速SNS、ホームページで呼びかけを開始。また研究所近くに在住の100milesAdventureメンバーにも、状況確認を行いました。

 

この発案はSNSで広く拡散していただき、数件の問い合わせが入りました。中には直接研究所に飛び込みでやって来られ、窮状を訴えるかたもいらっしゃいました。「本当に困っている人がまだまだいるのではないか?その人達に情報が届いているのだろうか?」そう感じたのは、休校の始まる前日3月1日のことでした。

 

その結果、「我々のような活動の情報を集積することによって、困っている人たちがより簡単にそれらの情報にアクセスできる、そのような環境作りが必要だ」と考えました。木曜日に要請があり、休校決定が金曜日。土日を挟んで、月曜日から実施。このスケジュールでは致し方ないと承知はしていますが、行政は残念ながら頼れる状態にはありませんでした。

 

一部報道、メディアにも我々が「冒険研究所で子ども達を預かると言う活動をしている、と言うことを広めたいだけだろう」と思われた点は非常に残念でした。我々の説明が不明瞭で、上手く伝えられなかったところもあったとは思いますが、「情報の一元化の必要性」を理解していただけませんでした。

 

そんな中、地元メディアを中心として、この活動の主旨をご理解いただき、取り上げていただく機会が増えました。地域に寄り添った発信への反響は大きく、同時にやはりまだまだ困っている方がいたと言う現状を知ることにもなりました。

 

また本来「預かり施設」ではない研究所に不足していたもの、子ども達に必要なものが、次々と研究所に届けられました。入手困難なウイルス関連商品、品薄の紙製品、お菓子類等々、多くのご支援、ご協力によってこの活動を続けることができました。この場をお借りして、心より感謝申し上げます。

 

大和市は今日、明日が登校日、27日が卒業式、30日が終業式でそのまま春休みに入ります。冒険研究所も通常業務に戻りますが、シャッターが開いているのを見つけた子ども達が飛び込んで来るのではないかと思っています。正直なところ「遊びに来て欲しい」と言うのが、本音かもしれません。

 

一段落したら、階下の歯医者さんにご挨拶に行ってまいります…。


北極冒険家 荻田 泰永

カナダ北極圏やグリーンランド、北極海を中心に主に単独徒歩による冒険行を実施。2000年より2019年までの20年間に16回の北極行を経験し、北極圏各地をおよそ10,000km移動してきた。世界有数の北極冒険キャリアを持ち、国内外のメディアからも注目される。

日本唯一の「北極冒険家」

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